ゆれくるコール開発日誌

ゆれくるコール、あめふるコール、つながるコールや緊急地震速報のことなど

2014/05/05の伊豆大島近海の地震について

2014/05/05の5:18頃、伊豆大島近海を震源とする最大震度5弱の地震がありました。


震源が160kmと深く、東北から中国地方にかけて広い範囲で揺れるという地震で、最大震度を観測した場所も震源地付近でなく、東京都心(東京都千代田区)でした。
震源が深い地震の場合はこのような揺れ方をすることがあり、「異常震域」と呼ばれています。


この地震では最大震度5弱を観測しましたが、テレビ、ラジオ等での一般向け緊急地震速報は発表されず、気象庁からは、「震源の深さが150キロを超える場合、技術的に高い精度で震度を予測することができないため、発表していない」と発表されました。


時事ドットコム:東京地震、一般向け緊急速報は発表せず=技術的制約で気象庁


緊急地震速報は、一回の地震において、精度を上げながら複数回発表されます。
その中で最大震度5弱が予想された場合、最大震度4以上の地域に対して発表されるのが、テレビ、ラジオ等の一般向け緊急地震速報です。


今回の地震での緊急地震速報の発表内容は下記のような内容でした。


No| 震央緯度| 震央経度| マグニチュード| 震源深さ| 最大震度
=====================================================
01| 北緯35.0度| 東経139.4度| 5.5| 120km| 震度3
02| 北緯34.9度| 東経139.4度| 5.7| 150km| 震度4
03| 北緯35.0度| 東経139.5度| 6.0| 150km| 震度4
04| 北緯35.0度| 東経139.5度| 6.0| 150km| 震度4
05| 北緯35.0度| 東経139.5度| 6.0| 160km| 不明
06| 北緯35.0度| 東経139.5度| 6.0| 160km| 不明
07| 北緯35.0度| 東経139.5度| 6.3| 160km| 不明
08| 北緯35.0度| 東経139.5度| 6.4| 160km| 不明
09| 北緯35.0度| 東経139.5度| 6.4| 160km| 不明
10| 北緯34.9度| 東経139.5度| 6.4| 170km| 不明


第1報~4報までは震源深さが150km以下でしたが、マグニチュードが低く、最大震度は最大で4でした。
第5報以降、マグニチュードが大きくなっていきましたが、震源深さは150km以上となり、震度の計算ができなくなりました。


ゆれくるコールでも、震源深さが150km以上の地震の場合は、正しく震度の予測ができないため、通知を行っていません。
今回の地震では、第1報~4報までは震度の予測が可能だったので通知震度のしきい値を超えた端末には通知を行っていますが、第5報以降は通知を行っていません。
そのため、端末によって通知がきたり来なかったりしたケースはあるかとおもいます。


緊急地震速報はすべての地震で必ず発表されるわけではなく、今回のように発表されないケースもあります。
緊急地震速報特性をご理解の上、防災・減災にお役立て頂ければとおもいます。